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そして父になる、ってのを見た。

子供の取り違え、とんでもない話である。
自分に子供はないから、その身になって考えることは不可能だが、
子供のいる友達にもしこんな事態が表出したら、こっちまでいたたまれないだろう。
だがしかしこの映画は、そのあたりの超めんどくさい話を、
現実に怒りうる問題――病院との駆け引き、裁判、周囲の目、などなど――
を端折りに端折ることで、ストイックなまでにシンプルにまとめ上げ、
こっちの涙を、効率的に引き出した。
そして、その涙の濁りのないこと。
「アルマゲドン」とはちゃう。
泣かせる話、ではないのだ。泣く話、なのだ。

主役にマシャを配したのがまず素晴らしい。
こういう 一見薄情、一見最悪、みたいな役に彼以上の俳優はいない。
そして妻役の尾野真知子(字が違ってたら謝る)の深い情感、好きです、
取り違えられた逆側の夫婦の妻はガラッぱち人情派をやらせるとうまい真木よう子、
超いい加減なのに素晴らしいことしか呟かないその夫役のリリーフランケンさん、
オノマチのかあさんの樹木希林も、弁護士で田中”浮気男”哲司、好きです、も画面に色を出してるし、
と、配役が無駄なく、豪華で、この人以外なさ満点。

すっきりした素晴らしい感動作であった。

というわけで今ぼくはバッハ大先生の「ゴールドベルグ変奏曲」を聞いてるんです。


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追伸 鴨の親子は強固につながれてて安心。


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かもん、れっつ、ご!

by taroustory | 2018-06-23 16:46 | 邦画